研究室生活は,皆に与えられたチャンス!

古屋野 仁紀

古屋野 仁紀

2007年度に池口研究室で卒業研究を行い,2008年4月に日立電子サービス株式会社に就職しました. 現在は主に,お客様のIT端末およびネットワークの運用管理と効率的な運用方法の提案を行っています. 私の携わる業務では,言語(コード)を書くことはありません. しかし,運用の現状分析やお客様への提案などの様々な場面で, 言語を書く時と同じような考えが求められる業務だと思っています. 池口研究室では,研究を通してだけでなく普段の生活のなかでも, この考え方を学ぶチャンスが数多くありました. 大切な時間を過ごすことができたと感謝しています.

私が池口研究室を選んだきっかけは,3年生のときに受講した池口先生の講義でした. 講義は,「一見すると複雑な身の回りの事象も, 実は簡単な法則から生み出されることがある」というものでした. 私は,この講義を通して複雑にみえる出来事の予測に興味をもちました. また,研究室紹介の時には,池口研究室では時系列予測の他に, 最適化問題,ニューロサイエンス,複雑ネットワークなど様々な研究も行っていることを知りました. 研究分野を広くカバーしているので,他の研究も知ることができることが, 池口研究室を選んだ決め手でした.

春,私は不安の中で池口研究室のメンバーになりました. 論文なんてきちんと読んだこともないし,プログラミングの授業では先輩がヒントをくれたし…. しかし,研究室配属後に始まった講習会で,その不安は晴れました. 講習会では池口研究室での計算機の使い方やプログラミング, 報告書の作り方,そして研究内容などを分かりやすく・やさしく教えていただきました. また,配属されてから最も気がかりな研究テーマの選定は, 池口先生に相談できたり,先生から最新の研究を紹介していただけたりするので,全く心配はいりません. 実際,私が「こんなことがやってみたい」と先生に相談すると, 「面白そうなテーマがあるからやってみない?」とあるテーマを紹介していただきました. その内容は,「複数のニューロンから計測されたスパイク列を予測するには, どのようにモデル化すればよいか」というものでした. 予測に興味があった私は,このテーマを扱ってみようと思い,こうして私の研究はスタートしました.

そして,池口先生から紹介して頂いた,スパイク列に関する論文を読み進めていきました. 読み進めるうちに予測やニューロンについて分らないことが沢山ありました. 自分で調べて解決する問題もありましたが,どうしても分らないときもあります. そんなときは,大学院の先輩方にも質問をしました. 池口研究室には,時系列予測が研究テーマの先輩もニューロンの学習に関して研究している先輩もいたので, 親身に教えてもらいました. もちろん,独自のテーマでも快く質問を受けてくださっていました. 事実,独自のテーマで研究していた同期の衣川君は, 先輩方に積極的に質問し熱く議論をしていました. 議論をすると自分のアイディアの問題点や改善点など指摘してくださるので, 先輩や先生を巻き込んだ積極的な議論をお勧めします.

研究と並行して行った就職活動についても少し触れさせていただきます. ご存知の通り,就職活動には,自己分析や業界研究,自己PRや面接など, 誰かに相談したくなる場面が数多くあります. こんな時にも池口先生は親身に相談にのってくださいました. そして,相談させていただくたびに, 今後の就職活動方針や志望動機などについて考える機会をいただきました.

進学するにしても就職するにしても,池口研究室はお勧めです. 私は池口研究室に所属して,研究能力だけでなく,報告・連絡・相談の仕方, お酒の飲み方なども鍛えることが出来ました. また,池口研究室には,他大学の先生方・学生との意見交換を行なう勉強会, 講師として講義にお招きした企業の方々との懇親会など, 3年生までにはなかったチャンスが数多くあります. 進学にも就職にも,人とコミュニケーションをとる能力はとても重要だと思います. 私は,コミュニケーション能力が鍛えられたことを,社会人となってから実感しています. そして皆さんにも,池口研究室メンバーとして数々のチャンスを掴んで欲しいと思っています.

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